『First of May』と『虚子・こもろ全国俳句大会』

5月も十日が過ぎ、桜も散り始め、代わりに若葉が萌えて、ビージーズの名曲、『First of May』が浮かんでくる季節になった。
『First of May』を『5月1日』ではなく、『若葉のころ』と訳した訳者のセンスは抜群だと思う。詞の内容は若葉の頃とは関係ないように思うが…。

高校の頃に付き合っていた彼女と最初に見に行った映画が、この曲などビージーズの歌が全編に流れていた『小さな恋のメロディ』だった。
だからこの曲を聴いたり、この季節になると、甘酸っぱ~い思い出が甦ってくる(笑)。

さて、先月の29日の事を書いておこう。
世に俗に言うゴールデンウィーク、先月の29日と今月2日と4日の三日間は何とか休めるように仕事を調整した。ただ3日の仕事は深夜になってしまったが。

ここのところ自分の好きな事をするゆとりがなかったので、出来るだけそういったゆとりを作れるように心掛けているけど、休日と言えばゴロゴロしてるばかりをやめて、29日は『虚子・こもろ全国俳句大会』なるイベントに参加して、俳句を捻ってきた。

また、大会の記念講演「虚子と女性たち」を聴いたが、なかなか興味深いものだった。


(大会のイベント、講演会場となったベルウィンこもろ)

投句や講演があって、有意義なひとときだったけど、俳句は難しいものだ。入選作をみていると、自分が感じられないものを作者は感じていて、凄いと思った。僕もそれなりの歳だけど、俳句の愛好家は、僕よりまだ年配の人たちが多かったようだ。


(今までの入選作を集めた作品集)

投句所で投句してたら、信濃毎日新聞の取材を受けた。気楽に受け答えしてたら、翌日の新聞に名前と作ったショボい句が載ってしまって恥ずかしい思いがした。知り合いには、新聞を見た旨を言われるし、入選した句なら、まぁ自慢も出来たけど…。

桜の花は散り、今は桃の花が満開だ。濃いピンクが美しい。春から初夏へグラデーションしていく季節は、ホントいい。


最後に僕の駄作をいくつか…。

閉じた傘に花びらひとつ春惜しむ

葉桜の陰に隠れし鳥交る


葉桜の枝揺れ見れば鳥交る

鳥の恋梢が揺れて明らかに

葉桜の陰から囀り鳥の恋


カップルが見上げた梢も鳥の恋

鳥の恋梢の下のカップルも

囀りの梢が揺れて鳥の恋
  
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2010年05月09日 Posted by Le musicastre at 19:24Comments(0)日記・出来事

古楽コンクール・山梨

先日2日の日の事を書いておこう。書こうと思ってもなかなかキーボードが進まず、書きそびれてしまったなんて事が多くなりつつある。
先月の『虚子・こもろ全国俳句大会』についてもそうだ。すでに記憶が薄れつつある。

連休真っ只中の5月2日、今年で24回目となる『山梨古楽コンクール』に行って来た。場所は山梨県甲府市である。
毎年行われ24回目と言う事は、今年で24年目の歴史のあるコンクールである。聞くところによると、国内では唯一の古楽コンクールだそうだ。

今年はバロック時代の旋律楽器、リュート属、声楽の3部門に海外からも含め総勢55人が応募があったという。
対象はこの三部門だけでなく年によって色々で、昨年はチェンバロ部門とアンサンブル部門だったらしい。

今年は例年と会場を異にし、法人会館で予選と本選が行われた。
法人会館は1928年築の歴史的な洋館で、厳かな雰囲気を感じさせた。

予選を通過した六名による本選を聴いてきたが、コンクールではあるが、審査やその結果は審査員に任せればよいのであって、僕としては、直向きに音楽に向き合う姿を堪能できれば、それでよい。優勝が誰であったかは二の次である。


(コンクールで使われたチェンバロ。二段鍵盤で大きさはYAMAHAのピアノで言えばC5くらいのジャーマンタイプ。右手にあるのは、小型のパイプオルガン)

本選の前、午前中、別の会場で審査員によるトークと演奏が行われた。
会場は『桜座』というところである。
ここは、1876年築という歴史的な芝居小屋を改装したイベントスペースで、通常は喫茶店として小さなライブなどを行っていて、なかなか雰囲気のある建物だ。

甲府の街をそれほど歩いたわけではないが、随所に歴史の遺構が残っている印象を受けた。それもその筈、武田信玄の居城、躑躅ヶ崎城があった地なのだ。


トークと演奏では、リュートの佐藤豊彦氏、チェロ・ダ・スバッラのディトリー・バディアロフ氏、そしてリコーダーの大竹尚之氏の審査員三名が、楽しいお喋りと演奏を楽しませてくれた。

三人とも世界的な演奏家で、時間は短かったとは言え、このような名演奏をタダで聴く事が出来るのは、こんな機会くらいしかないだろう。
自分がリュートをやって、佐藤豊彦氏のレコード、CDは何枚かは持っているけど、生で聴いたのは初めてだった。
ダウランドの涙のパバーヌ、カッティングのグリーンスリーヴスによる変奏曲を演奏され、今自分が練習している曲だけに聴き入った。

参考までに、2曲を自前の演奏で…。


(J.ダウランド/涙のパバーヌ)


(F.カッティング/グリーンスリーヴス)


(チューニング中の佐藤豊彦氏。リュートは8コースのルネサンスタイプ。ガット弦を張ってあり、チューニングが狂いやすいらしい)

ディトリー・バディアロフ氏は、チェロ・ダ・スバッラという、ヴァイオリンのように肩に当てて弾くチェロで、バッハの無伴奏チェロ組曲BWV1007を演奏された。
チェロ・ダ・スバッラは初めて見る珍しい楽器で、音色はチェロに似通っていた。
珍しい楽器を聴けるのも、このようなコンクールならではだろう。


(ディトリー・バディアロフ氏によるチェロ・ダ・スバッラのスバッラしい演奏)

古楽コンクール山梨には初めて行ったのだが、真摯な一般の演奏、プロによる名演奏が聴けて、非常に楽しめた。また来年もという思いだ。



メモ:

楽器等展示会 10:00- 17:00 (無料)
於: 甲府商工会議所5階多目的ホール(甲府市相生2丁目 17)

審査委員によるトークと演奏 10:30-ca.11:30 (無料、60名先着順)
整理券なし。当日会場
於:桜座エントランス・スペース(甲府市中央 1丁目 1-7)

第24回古楽コンクール〈山梨〉本選 13:00- ca.15:30  (500円 150名先着順)
会場で1時間前よりチケットを購入。整理券。番号の若い順に入場。
於: 法人会館3階ホール(甲府市中央 4丁目 12-21)

第23回古楽コンクール〈山梨〉入賞記念演奏会 16:30- ca.17:45 (700円 150名先着順)
会場で1時間前よりチケットを購入。整理券。番号の若い順に入場。
於: 法人会館3階ホール(甲府市中央 4丁目 12-21)
  


2010年05月07日 Posted by Le musicastre at 19:07Comments(0)日記・出来事