個展にて 五十年来の 友と会う 〜伊那路〜

伊那に行く、と言う両親に付き合って同行する事にした。
車で行く、と言うので、齢八十近い両親の運転では心配なのと、伊那は幼稚園から高校卒業まで、僕の育った地で、懐かしさもあって、運転手役をかってでた訳だ。
伊那の町は、ホント久しぶりだった。変わったところもあるし、そのままのところもあるし。
僕の育った家は、伊那を離れる際、別の人の手に渡っていたが、まだあった。

市内では、父の後輩がフランスから帰郷していて個展を開いていた。
高校の頃、美術クラブで画材を担いで伊那の町をスケッチして歩いた数人の仲間の中のひとりで
今日の再会はそれ以来、五十年振りの再会だったようだ。
作品は、フランスのノルマンディー地方の風景を描いたものが多く、黄色と青色が印象的だった。
お互い高齢で、おそらくもう会う事もないだろうと、記念の写真を撮影していた。

その後、かんてんぱぱガーデンに行く事にした。
ここは、寒天で有名な伊那食品が、敷地の中に自然を活かした庭園を造っていて、無料開放している。庭園内では、寒天製品の販売店や食事の出来るレストランがあり、昼食はここでとった。ひまわり亭のオムライスは美味かった。
そのレストランで、先ほど観てきた父の後輩の作品が飾られていたのは奇遇だった。

かんてんぱぱホールでは、伊那出身の銅版画家の個展をやっていたので、入った。
銅版画独特の細かい線と、抽象的な画風が興味深く、予め木版で色を付け、そこに銅版を重ねたり、金箔を張り付けたりと、非常に工夫された作品群だった。

帰途、伊那文化会館では県マンドリンフェスティバルが催されていたので、パンフレットのみ貰ってきた。
知り合いが二校のマンドリンクラブを指導しているが、ちょうど一校目の演奏が終わった後で、ロビーで写真撮影をしているのに出くわし、これまた奇遇な出会いだった。

長く暮らした町は、何かしらどこかで知り合いに出会うようで、両親共、偶然の再会もあり、今回の突然の伊那行きは満足したようだ。  

2007年11月05日 Posted by Le musicastre at 14:42Comments(0)伊那