真楽寺に至る道 その2 ~真楽寺道~
ブログにも色々なものがある。
僕のブログは主に自分の住む周辺の自分が訪れた場所の事を書いているけど、それはガイドやルポ、レポートとは違う。あくまでも目指す方向は写生文なのだ。もちろん、僕の文章力や構成力の無さが原因で、
「えっ、そうなの?」と思われても仕方がないのは分かっているので、そこはツッコマナイで欲しい。
だから、もし行きたい場所を知ろうとインターネットで検索し、僕のブログがヒットしたとしても知りたい情報を得られる事はない。つまり、役には立たないのであしからず…。
ただ、興味を喚起するものを心掛けたいと思う。
話は、台風18号が接近する前日の事である。
台風の接近で、灰色の空から落ちてくる雨は、自らをアスファルトに叩きつけていた。
高木の上の方は風に揺れているが、低い木は意外と穏やかだ。
ニュースによると長野県を北上し、午前9時頃には諏訪付近に達したらしい。
(小諸直撃じゃないか?)と思っていたら、9時を過ぎた時間、雨は小降りになった。
今夜は夜に仕事があり出掛けて行かなければならないが、
(一昨年もそうだったな)と台風の中を仕事で夜に出掛けて行った事を思い出した。国道18号が倒木で通行止、森山の県道も倒木で通行止になっていた。仕事が終わり帰宅時は迂回を余儀なくされた。
10時半頃になると、空が明るくなってきて、風雨も収まりつつあった。
乾き始めたアスファルトは湯気をあげている。
台風は長野県を過ぎたのだろうか、11時を回った頃に降った細かな雨は、台風通過の名残のように思えた。
道を走ると、落葉と折れた小枝の置き土産が多少あったが、配信されてくる小諸市役所のツイッターによると、市内での被害は今のところ確認されていないようだ。とりあえず安心だが、長野県下では南信での被害が大きかったようなので気にかかる。
救急車のサイレンが再び聞こえていた。これで三回目だ。この台風による被害なのだろうか。
さて、塩名田道は北国街道に行き着き、真楽寺に向かうには、与良を起点とした真楽寺道を行く事になる。
与良の信号付近には馬頭観音と共に、真楽寺まで『一里十丁』と彫られた道標があった。
真楽寺への道標
塩名田宿の道標には『三里』とあったから、そこからここまで二里、約8キロ来た事になる。
8キロは車で15分足らずだけど、歩いて、しかも峠越えだとどのくらいかかるのか、その距離を歩いた事がない自分には見当もつかないが、塩名田から小諸まで8キロ以上あるような気がする。車だからだろうか。
道標の右手は車道で、上って行けば国道18号を渡り馬瀬口まで続くが、どうも昔の真楽寺道とは違う気がする。
それで、左手に蛇堀川に沿った道があったので、こちらを行ってみる事にした。以前、小諸の古地図を見ていた時、『柏木村に至る』とあった道かも知れない。
『柏木村に至る』道もほどなくすると国道を渡り、急な坂となる。その途中に馬頭観音があった。
坂道の馬頭観音
別のところから移動させてきた痕跡がなく、もともとここにあったものなのだろう、行く道が真楽寺道ではないかと思わせた。
さらに行くと左手に鳥居があった。案内板があり何か細かい字が書いてある。『蛇石』とあった。
蛇石
鳥居の向こうに大きな石があり、その上に祠がある。
案内板によると、昔この辺りを荒らし回った大蛇がいて、それを祀り災いを鎮めたという。
道中で出会った道祖神
森の中を行く道は十字路を過ぎ、やがてT字路に突き当たる。左手には鳥居があり諏訪神社と書かれていた。
このT字路を右に行き県道馬瀬口線を横切ると、阿弥陀堂がある。
この阿弥陀堂については以前ここに書いた事がある。
県道に出てしまった訳だが、後は馬瀬口まで行くしかない。このまま行くのは普通の車道なので面白味がない。そこで脇道脇道と行く事にした。そうした方が思わぬ発見をするもなのだ。
八満の信号で浅間グリーンロードを上がる。八満の信号近くには、八満弓神社の鳥居があった。本殿は鳥居のずっと先らしく見えなかった。
石峠・藤塚という信号で右折してみた。
行ってみると、何のヘンテツもない車道である。左に神社が見えたが神社名は確認してない。さらに行くと樹齢何百年もありそうな大きな木の下に双体道祖神があった。
双体道祖神
道中で出会った道祖神
このブログにも『小諸眺望百選』の事を書いているが、この道沿いにそれがあるのを発見した。しかし何番かは確認してない。車だと、こうして通り過ぎてしまうものだ。
道は御代田町に入る。程なくして御代田町が定めている『浅間山八景』の標柱があった。
この道は、小諸市が定めた『小諸眺望百選』や御代田町が定めた『浅間山八景』があるくらい、眺めが良いのだろう。しかしこの日は生憎、台風接近中の天気だ。
やがて道は、真楽寺入り口と出会う。近くに道路整備などで移されたと思われる大小六体の、おそらく六体であったであろう六地蔵と道祖神があった。長くから旅人を迎えてきたのだろう。どれも頭がないのと六体揃っていないのは、風化や移動で失ったのだろうか。
道祖神と六地蔵
塩名田宿から約三里。昔の人にとっては遠い道のりも、今や車で30分ほどだ。
ふと、今の世の中のファストライフが、嫌に思えた。
旅人の 無事を祈って 道祖神
(真楽寺道を辿って)
地図はこちら
僕のブログは主に自分の住む周辺の自分が訪れた場所の事を書いているけど、それはガイドやルポ、レポートとは違う。あくまでも目指す方向は写生文なのだ。もちろん、僕の文章力や構成力の無さが原因で、
「えっ、そうなの?」と思われても仕方がないのは分かっているので、そこはツッコマナイで欲しい。
だから、もし行きたい場所を知ろうとインターネットで検索し、僕のブログがヒットしたとしても知りたい情報を得られる事はない。つまり、役には立たないのであしからず…。
ただ、興味を喚起するものを心掛けたいと思う。
話は、台風18号が接近する前日の事である。
台風の接近で、灰色の空から落ちてくる雨は、自らをアスファルトに叩きつけていた。
高木の上の方は風に揺れているが、低い木は意外と穏やかだ。
ニュースによると長野県を北上し、午前9時頃には諏訪付近に達したらしい。
(小諸直撃じゃないか?)と思っていたら、9時を過ぎた時間、雨は小降りになった。
今夜は夜に仕事があり出掛けて行かなければならないが、
(一昨年もそうだったな)と台風の中を仕事で夜に出掛けて行った事を思い出した。国道18号が倒木で通行止、森山の県道も倒木で通行止になっていた。仕事が終わり帰宅時は迂回を余儀なくされた。
10時半頃になると、空が明るくなってきて、風雨も収まりつつあった。
乾き始めたアスファルトは湯気をあげている。
台風は長野県を過ぎたのだろうか、11時を回った頃に降った細かな雨は、台風通過の名残のように思えた。
道を走ると、落葉と折れた小枝の置き土産が多少あったが、配信されてくる小諸市役所のツイッターによると、市内での被害は今のところ確認されていないようだ。とりあえず安心だが、長野県下では南信での被害が大きかったようなので気にかかる。
救急車のサイレンが再び聞こえていた。これで三回目だ。この台風による被害なのだろうか。
さて、塩名田道は北国街道に行き着き、真楽寺に向かうには、与良を起点とした真楽寺道を行く事になる。
与良の信号付近には馬頭観音と共に、真楽寺まで『一里十丁』と彫られた道標があった。
真楽寺への道標
塩名田宿の道標には『三里』とあったから、そこからここまで二里、約8キロ来た事になる。
8キロは車で15分足らずだけど、歩いて、しかも峠越えだとどのくらいかかるのか、その距離を歩いた事がない自分には見当もつかないが、塩名田から小諸まで8キロ以上あるような気がする。車だからだろうか。
道標の右手は車道で、上って行けば国道18号を渡り馬瀬口まで続くが、どうも昔の真楽寺道とは違う気がする。
それで、左手に蛇堀川に沿った道があったので、こちらを行ってみる事にした。以前、小諸の古地図を見ていた時、『柏木村に至る』とあった道かも知れない。
『柏木村に至る』道もほどなくすると国道を渡り、急な坂となる。その途中に馬頭観音があった。
坂道の馬頭観音
別のところから移動させてきた痕跡がなく、もともとここにあったものなのだろう、行く道が真楽寺道ではないかと思わせた。
さらに行くと左手に鳥居があった。案内板があり何か細かい字が書いてある。『蛇石』とあった。
蛇石
鳥居の向こうに大きな石があり、その上に祠がある。
案内板によると、昔この辺りを荒らし回った大蛇がいて、それを祀り災いを鎮めたという。
道中で出会った道祖神
森の中を行く道は十字路を過ぎ、やがてT字路に突き当たる。左手には鳥居があり諏訪神社と書かれていた。
このT字路を右に行き県道馬瀬口線を横切ると、阿弥陀堂がある。
この阿弥陀堂については以前ここに書いた事がある。
県道に出てしまった訳だが、後は馬瀬口まで行くしかない。このまま行くのは普通の車道なので面白味がない。そこで脇道脇道と行く事にした。そうした方が思わぬ発見をするもなのだ。
八満の信号で浅間グリーンロードを上がる。八満の信号近くには、八満弓神社の鳥居があった。本殿は鳥居のずっと先らしく見えなかった。
石峠・藤塚という信号で右折してみた。
行ってみると、何のヘンテツもない車道である。左に神社が見えたが神社名は確認してない。さらに行くと樹齢何百年もありそうな大きな木の下に双体道祖神があった。
双体道祖神
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