駒曳きの木曽や出るらん三日の月 去来

Le musicastre

2010年09月09日 19:33

佐久市望月。道祖神と榊祭りで知られてるところらしい。
以前僕は、佐久市街から望月町内へと向かう途中、トンネルを抜けた下り坂を暫く行くと、鹿曲川を渡る橋の手前に小さなお堂があるのに気が付いた。お堂は川へ落ちる岸壁にへばりつくようにある。
白い案内板があり何か説明が書かれているようだ。こういったものがあると、何なのか確かめたくなる。

その日、機会があって望月を訪れたので、僕は確かめてみる事にした。
スポーツ公園の駐車場に車を停め、長い坂道を下った。
もう8月も終わりだというのに、佐久地域は連日30度を越える暑さで、午後になると夕立があった。
坂道を下って行く時も遠くの方で雷鳴がしていたが、そう長い時間は必要ない。ちょっと見に行くだけだ。
(降らないだろう)と確信して10分ほど坂道を下ると、あの白い案内板のところに着いた。





案内板によると、お堂は『弁天窟』と言うらしい。
室町時代末期、永正年中、近江の竹生島の弁財天を勧請したものと伝えられる。
窟へは川沿いの細い道を行くようなのだが、通行止めになっていた。崖の道なので、落石、崩落の危険があるのだろう。
行けない残念な思いをしながら、目前の階段を見上げた。

狭い石の階段を登って行く傍らに句碑があった。
『駒曳きの木曽や出るらん三日の月 去来』
僕はわけないと思いながら石段を登った。が、すぐばてた。
登り切ったところに豊川稲荷神社があった。
登って来た石段と90度の方向に緩い坂道があり、先ほど駐車場から歩いてきた道へと下っている。
(ここを来た方が楽だったな)と思ったが、この坂道の存在を知らなかったからしょうがない。

(残暑はいつまで続くのだろう)と駐車場に戻って行く坂道を見上げた。登り坂を行くと思うと、ドッと汗が吹き出してきた。

関連記事